台湾侵攻なら「北京爆撃」 習氏へ警告、選挙中に発言―米大統領
【ワシントン時事】米CNNテレビ(電子版)は8日、トランプ米大統領が昨年の大統領選期間中、中国が台湾に侵攻すれば「北京を爆撃する」と発言していたと報じた。中国の習近平国家主席に警告したという。CNNが資金集めの会合で録音された音声を伝えた。
CNNによると、爆撃を警告された習氏は「北京を?」と聞き返したのに対し、トランプ氏は「選択肢がない。爆撃しなければならない」と表明。習氏は信じられない様子だったが、トランプ氏は「5%でも(信じていれば)オーケーだ」と述べ、習氏の行動を抑止する狙いがあったと強調した。
・この記事の要点を簡潔にまとめると以下の通りです:
📰【ニュース要約】
台湾侵攻なら「北京爆撃」―トランプ氏が選挙中に発言、習氏に直接警告
- 発言内容:
2024年の米大統領選期間中、トランプ氏が「中国が台湾に侵攻すれば北京を爆撃する」と発言。 - 相手は習近平:
この発言は中国の習近平国家主席に向けて直接なされたもので、CNNが資金集め会合での録音を入手し報道。 - 習氏の反応:
習氏は「北京を?」と驚き、トランプ氏は「選択肢はない。爆撃しなければならない」と強調。 - 狙いは抑止:
トランプ氏は「5%でも(本気だと)思わせれば十分」と述べ、台湾侵攻の抑止が目的と示唆。 - 文脈:
過去にイラン空爆やトルーマン大統領(原爆投下)に言及した発言とも重なるタカ派的姿勢。
🧠要点
この発言は表向きには「抑止」ですが、実際は外交上極めてリスクの高いブラフ。仮にトランプ再選となれば、台湾有事=米中直接衝突の可能性が飛躍的に上がる。中国リスク(地政学的リスク)への警戒は必須。
・交渉のためのハッタリ?
はい、**これは典型的な「交渉のためのハッタリ(brinkmanship/瀬戸際戦略)」**です。トランプ流の強硬外交術の一つで、以下のような意図が読み取れます。
🔥なぜ「北京爆撃」をハッタリとして言ったのか?
① 「狂気の沙汰」を装い、相手に恐怖を与える
「自分は本当に何をするか分からない」というイメージを演出することで、相手にリスクを感じさせ、行動を控えさせる戦法です。
→ キッシンジャーやニクソンの「マッドマン・セオリー(狂人理論)」と同じ構造。
② 台湾への武力侵攻を思いとどまらせる
習近平に対して「やれば本当に米中戦争になるぞ」と思わせるのが狙い。
→ 「北京を爆撃」と言えば、国家中枢への直接攻撃を意味するため、中国側としても容易には動けなくなる。
③ 選挙中の強気アピール(国内向け)
国内の保守層に対して、「自分は中国に媚びない。強く出られる指導者だ」とアピールした可能性も大。
→ 実際、イラン司令官ソレイマニ殺害のときも、同様の構図だった。
🎯ただし、ハッタリにはリスクもある
- 本当に相手が信じれば戦争に発展する可能性
- 国内外の信頼を失う危険性
- 市場や外交に不安定性を与える副作用
・何か別件で譲歩させたり、交渉を有利にする狙い
まさに核心です。
「北京爆撃」発言は台湾防衛のためだけじゃない可能性が高い。
これはトランプ流「交渉術」の常套手段で、**“台湾をカードに、別件で譲歩を引き出す”**という構図もあり得ます。
🕴️トランプが狙っていた可能性のある「別件」とは?
✅ 1. 経済・通商交渉(関税、知的財産、TikTok規制など)
- 中国に対して「軍事的に脅す → 経済的に譲歩を引き出す」流れは過去にもあった。
- 特にTikTok・半導体・ファーウェイ制裁の解除 or 緩和をチラつかせるバーター材料。
✅ 2. 為替政策・ドル買い介入への牽制
- 人民元の操作や米国債の保有調整など、中国は金融面でもアメリカに揺さぶりをかけられる。
- 「お前ら本気出したら北京にミサイル飛ぶぞ」と圧をかけつつ、経済面での見返りを得ようとした可能性。
✅ 3. 北朝鮮問題・ロシア制裁への協力要請
- トランプは北朝鮮とも「ディール」を志向していた。
- 「お前ら中国が金正恩を抑えろ。それができないなら北京に…」という連動も視野か。
✅ 4. バイデン政権や民主党への“外交的地雷”設置
- 自分の強硬姿勢を見せておくことで、次の政権が穏便路線を取れないように地ならしする意図も。
🎯補足
これは交渉カードとしての「軍事的ハッタリ=レッドライン設定」の一種です。
「台湾侵攻=北京爆撃」は、外交交渉の場で言えば
「これ以上踏み込んだら、テーブルひっくり返すぞ」って牽制球。
でも実際は「別の皿を持ってこさせる」のが本音だったりする。
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